私を作る、おいしいレシピ
興奮して言い切ったら、ふたりともあっけにとられた顔で私を見てる。
そして、……先にイチくんが笑った。
「……ははっ、すげぇな、お前。そんなこと考えてたのか」
「今思いついたんだよ。でもできないことはないと思う。ただ、……時間はかかるけど」
「この制服高かったのに」
「ごめん。でも、見た目を変えるのは一番わかりやすく先生たちに訴えられるから」
「やっぱ、瑞菜はすげーな」
マコちゃんがにっこり笑う。
「前も思ったんだけど、お前っていじけてうずくまったりしないよな。しんどくても立ち向かってくっていうか。……そういうの、俺、好きだよ」
心臓がとくんとなる。
マコちゃんから向けられる純粋な好意は、嬉しい。……けど、やっぱり私が持っている彼への好きとは質が違う。
「ありがとう。でも……」
「わかってるよ。瑞菜は俺もハジメも同じくらい好きなんだもんな。いっそ三人でとかどう?」
「なっ……バカ!」
「俺はいいぞー、別に」
「もうっ、ふざけないで!」
トンデモ発言に顔を赤くしつつ、でもふたりが冗談で言っているのはわかるから、私も怒ったふりだけをした。
それよりも、こんな風にまた話せるようになったのが泣きたいくらい嬉しくて。
もう満足だ。
恋よりも今は、この関係が一番居心地がいいの。