暖かいご飯には、人の心を豊かにする効能があるのかな。
それとも一緒に食べる人がくれるのかな。
どちらにせよ、人が生きるために必要なのは“食事”だけれども、豊かに生きるために必要なのは一緒にゴハンを食べてくれる“誰か”なのかもしれない。
瑞菜のお母さんに愛情がなかったとは思いません。他の誰かに粗方を委ねていたとはいえ、瑞菜は立派に成長していたわけですし。ただし、愛情のかけ方は間違っていたのかもしれません。人は、甘える人がいて初めて“甘え方”を覚えていくのかもしれないな、と感じました。
お料理は不思議です。少しの手間で美味しくなる。見た目通りの味もあれば、見た目に想像してなかった美味しい物もあります。それは人も、人間関係も同じなのかもしれません。
優しくて、ほっこりできるお話です。どうぞご賞味あれ。