怪盗ダイアモンド2
「あれ?でも、なんで阿弓ちゃんは『鮮紅』だと都合が良いみたいな言い方してたの?」
「あぁ、それは……」
「ボクっちのバイト先だからだよ〜」
透馬さんが挙手をする。
あぁ、透馬さんは大学生で、たまにモデルもやってるって聞いたことあるけど、バイトもしてるんだ。
忙しいな。
「ま、そんな感じだから。俺らがいれば百人力って訳〜。鳳莉ちゃん、おにーさんにドーンと任せちゃって!」
「あ、ありがとうございます!」
「透馬、少し待てよ。芸能人とはいえ、警察と探偵に頼むんだ。それなりの代償が必要じゃねぇのか?」
「あ、そうですよね。えと、お金は一応持ってます……」
硬派な海馬さんに怖気付く鳳莉は、カバンの中から財布を出す。
「海馬ぁ、別に良いじゃんそんなの〜。女子高生から金とる気?可愛い女の子の命かかってんだよ?別にうち貧乏じゃないし、阿弓の友達なんだから、タダでやったげよ?」
「あ、ありがとうございます……」
颯馬さんの助け舟が入った所で、今度は鳥馬さんが挙手をする。
「あーっと、鳳莉ちゃん、依頼料の代わりに、一つお願いして良いかい?」
「はい、なんでしょう?」
「サイン貰えるかな?」
そう言って差し出した手には、ちゃっかり色紙とサインペンが乗っていた。