怪盗ダイアモンド2

★悪夢の国への招待状





そして当日。

地図を頼りに着いた場所は、大きなお屋敷だった。

展覧会はその一部を使用するらしい。

重厚なドアを開けると、美しいクラシック音楽と共に煌びやかな会場が見えてきた。

「わぁ……!すっごく豪華!」

「そうだね、蝶羽『くん』♪」

「……」

音遠くんがからかうように笑った。

ぐぬぬ……今回ばかりは仕方ないか。

それにしても、展覧会っていうよりパーティ会場みたい。

どっちかって言うと、品評会?

パーティの間に宝石を見せるみたいな流れなのかな?

周りを見ると、見事なまでに美少年ばかりが集まってるし。

テレビで見たような子役や、亜希乃が読んでた雑誌に出てきたモデルの子までいる。

音遠くんはともかく、私はなんだか場違い感がある……

「皆様、ようこそおいでくださいました」

そう言って小さなステージの上で高いヒールを鳴らしたのは、派手だけど美人な女性。

椎馬さんは『オバサン』って表現してたけど、結構綺麗な人。

目尻のシワとほうれい線がくっきりしてるけど、背筋がピンと伸びてて若々しい。
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