怪盗ダイアモンド2

「ようこそ、砂漠の猫(デザートキャット)展覧会へ。私は主催者の伊原 染子(いばら そめこ)」

この人が、椎馬さんが言ってた事件の容疑者……

隣で音遠くんがゴクリと喉を鳴らす。

うーん、犯人らしき人が目の前にいるって、なんかピンと来ない。

「突然ですが、宝石を見せる前に少しゲームを致しましょう」

会場がザワつく。

いきなりゲーム?

嫌じゃないけど、急すぎじゃない?

「ルールは簡単、私が出題するクイズに挑戦して頂き、優勝者には砂漠の猫(デザートキャット)に触れられる権利が貰えます。参加希望者は手を挙げてください」

あぁ、そういう事か。

確かに見る前にちょっと何かあった方が、ワクワクするかも!

「へ~、なんか面白そうじゃね?」

「俺参加しよっかな!」

「触ったついでにそのまま貰えねーかな?w」

「バーカ、無理に決まってんだろw」

参加希望者が口々に騒ぎ出し、手を挙げた。

「音遠くん、わた……」

あ、間違えた。
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