怪盗ダイアモンド2

周りはみんな困惑顔。

まぁ男の子じゃ分かんないよね……

「蝶羽くん、分かる?」

音遠くんも真剣。

「当然。母さんに鍛えられたし、目利きは出来るよ。でも問題なのは、それがどこにあるのか」

母さんの教えをありがたく思いながら、私は周囲を見渡す。

テーブルに乗ってる花瓶の宝石はイミテーションだし、参加者が付けてるアクセサリーにも無い。

もうこの間に制限時間半分切った。

落ち着いて落ち着いて、怪盗ダイアモンド。冷静にならなきゃ答えは永遠に出てこない。

宝石……宝石……あ!

「音遠くん、舞台に登って!染子さんのところ!」

「え?あ、うん、分かった」

舞台に登り、染子さんの所へ辿り着いた瞬間、タイムリミットのブザーが鳴った。

辿り着いた人は……私達を含めて十人。

「それでは、正解発表!六月の誕生石はパール。つまり真珠。私のネックレスにありました。つまり、舞台に上がった十人が正解です!」

「ぃよっしゃあ!!」

「やったー!」

「やりぃ!」

正解者は思い思いに喜び勇む。

私も釣られて名前も知らない男の子達とハイタッチを交わした。
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