怪盗ダイアモンド2

「残り時間、十秒〜!」

染子さんの声がさらに私を悩ませる。

さらに頭をフル回転させた。

頑張れ、怪盗ダイアモンド。

ここでミスしたらデザートキャットを手に入れる機会を逃しちゃうぞ。

高いもの、高いもの……

……あ!

「音遠くん、こっち!」

私は音遠くんの手をぐいっと引っ張った。

「あ、え?!もう残り時間ないよ?!」

「いいから、飛んで!向こうのテーブル!」

「……分かった」

「いくよ?……せぇの!!」

バランスをとる為に手を繋ぎ、真ん中の大きめのテーブルへ飛んだ。

組体操の扇みたいに繋いだ手を引っ張り合い、高いところから落としたタライみたいにテーブルをぐわんぐわんと回しながらどうにか着地に成功する。

「…………三、二、一、零。終了です!正解者は……二名ですね。正解はこの会場の中で一番高い、つまり高級なのはテーブルでした」

クイズというかなぞなぞだ。

高いのは高低じゃなく、値段。

おそらく一番高いのはデザートキャットだろうけど、場所が分かんないし小さい宝石には乗れないもんね。
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