怪盗ダイアモンド2

「残ったのは……二人だけですか。いまいち盛り上がりに欠けてしまいましたが、これで最後の問題です。砂漠の猫(デザートキャット)はどこにあるでしょう?」

ええ?!

もうこの会場は隅から隅まで、天井も床もテーブルも花瓶も見た。

だけど、どこにも無かったよ?

「落ち着いて。『展覧会』なのにメインの宝石が無いのは流石におかしいよ。きっとここにあるはずだ」

あ、それもそうか。

チラシにはちゃんと写真も載ってた。

あるはずなんだから、落ち着いて探せばきっと見つかる……!

冷静に、冷静に……

「……そこの、私から見て右側のあなた。あなた怪盗ダイアモンドでしょ?」


え゙っ。


ドクンと心臓が跳ね上がった。

「噂通り、本当に美しいのね……私の理想よりちょっとだけ女の子寄りの顔立ちですけれど、まぁ許容範囲ですね」

許容範囲って……

というか、私が砂漠の猫(デザートキャット)を盗もうとしてる存在であるのがバレた。

どうしよう……盗むのに失敗した上にここから出られないかもしれないなんて。

脚が震えて冷や汗がダラダラと背筋を流れていく。

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