怪盗ダイアモンド2
★砂漠の猫、目を閉じる
☆
「で、なんでこんな事したんだよ、オバサン」
もう抵抗しないと思ったのか、阿弓は抑えてた手を離した。
「……ずっと探してたのよ……」
染子さんももう気が抜けてしまってるらしい。床にぺたんとへたりこんだ。
「もう十年くらい前かしら……知り合いの結婚式に参列した時に、とっても美しい少年を見たの……お人形みたいに綺麗で、手元に置いておきたくて……」
イカれてるな。
無意識に眉間にシワがよってしまう。
欲望は人をこんなにも歪ませてしまうのか……
「あの手この手を使ってあの子を探したのに、ぜんぜん見つからなかったわ……」
「あんなに美少年を集めてて、それでも見つからなかったんですか。もしかしたら成長して美しくなくなっちゃったんじゃないですか?」
音遠くんが冷静に分析すると、染子さんはガバッと顔を上げた。
「そんなわけないわ!あんなに美しい子だったんだもの!成長したくらいであの美しさが無くなるわけない!」