怪盗ダイアモンド2
「あ、鳳莉おはよー」
「おはよ、蝶羽ちゃん!」
次の日の朝、人気の無い路地を一人で歩いてる鳳莉を見つけた。
鳳莉がうちの学校の生徒だって事は、芸能界には内緒。
だからこうやって目立たない道を通学路にしてるんだけど、仕事が無くて普通に学校へ来る日は私の家の近くを通るから、ごくごく希に会う。
脅迫電話の件もあるから、私は車道側に立って鳳莉と歩いた。
「あれ、阿弓ちゃんと亜希乃ちゃんは?」
「あぁ、阿弓は電車通学だから別ルート、亜希乃は徒歩通だけど今日は寝坊だってさ」
ちなみに阿弓は中三の時まで祖父母の家で暮らしてたから私達と同じ中学校に通えたけど、色々事情があって今の元の家に戻ってきた。
だから彼女だけ、高校から家が遠い。
それと、亜希乃の寝坊はいつもの事。
どうせ平日なのに深夜番組見て、朝起きられないんだろう。
大体阿弓が早めに来て、須永家に上がり込んで怒鳴り散らして起こすか、私がモーニングコールをしてあげるんだけど、今日はやめておいた。
阿弓は電車が少し遅延してるってLIKEが来てたし、私も亜希乃を甘やかさないようにする為にね。