怪盗ダイアモンド2
私はまっすぐ自分の席に向かった。
鳳莉は私達と席が離れてるから、ここで一旦別れる。
「おはー」
「おはよー」
高そうな腕時計をメリケンサックかナックルダスターみたいに指にはめた阿弓と、なぜか頭から木が生えてるみたいな状態の亜希乃に出くわした。
「……」
えーっと、どっちからツッコもう……
「アゲハ嬢、これかっこよくね?海馬兄貴が教えてくれたんだけど、こうやって時計をここに巻くと、殴る時手が痛くならない上、相手にダメージ与えられるんだって!ナックルより手軽!」
「蝶羽〜、近道しようとして植木に三回くらい突っ込んだんだけど、今あたしの頭どうなってる?」
なんでこういう時に限って二人揃って妙な事始めるかな!!?
「阿弓、今日の本来の目的は鳳莉を守る事だからね?犯人確保は二の次だからね?亜希乃、頭から木が生えてるみたいになってるよ。葉っぱと枝がすごい。櫛貸してあげるから梳かしときな」
二人は大人しく普段のスタイルに戻っていく。
あ〜、オカンか、私は……
1パック三個入りっていうか、私がいないと二人がダメって感じなんだよ、鳳莉。
「ねー、あたし昨日考えたんだけどさー」
亜希乃が櫛で髪を梳かしながら喋る。