怪盗ダイアモンド2
私達は教室の隅に固まってこしょこしょと内緒話を始めた。
鳳莉が眉を寄せて話し出す。
「……昨日、事務所の方に脅迫電話みたいなのが来てね……」
「「「脅迫電話?!」」」
「し、静かに!大事にしたくないの!」
あわわ。
思わず口元を抑えた。
「で、内容は?」
阿弓が先を促す。
「……『六月三日午後四時に、斬泪晶(ざんるいしょう)を今から指定する場所へ持って来い。もし無かったら、現金3億円で代用しろ。来なかったら、桝屋 鳳莉の命は無い。警察には連絡するな』……みたいな感じだったらしい」
うわ、なんか典型的だけど、悪質!
ていうか、六月三日ってその日の明後日じゃん!
つまり、電話は昨日かかってきた訳だから、明日!!
「そっか、だから身内に警察がいるあたしに相談してきたわけか。らしいって事は、ほーりぃは直接聞いてないの?」
「う、うん。マネージャーさんから口頭で教えてもらっただけだから……」
「ていうか、明日までに3億って絶対無理じゃん……」
「それは、事務所のお金と、足りない分は古新聞切って束ねて誤魔化すって、マネージャーさんとプロデューサーさんが言ってた」
「なるほど」
「で、指定された場所ってのは?」
「えっと、名前が思い出せないんだけど……どこかこの辺のカフェだったと思う。確か、なんか花火っぽい名前の……」