怪盗ダイアモンド2
「兄貴、ここに用意してた機材は全部回収したぞ。家で確認とろう」
「あぁ、鳥馬と椎馬にも連絡しような」
「僕がもうしたよ」
「ボクっちも帰るよ!店長も見てたからね。OK貰った」
もう兄さん達がテキパキと次の段階に移ろうとしてる。
「阿弓、帰るぞ。鳳莉ちゃん、亜希乃ちゃんもおいでー」
「「は、はーい」」
亜希乃と鳳莉が天馬兄ちゃんの方に走っていった。
「……阿弓?」
蝶羽……
大丈夫かな。
そんなに弱くない奴のはずだけど、動きは塞がれてたし。
もし、このまま私達の前に戻って来なかったら……
もし、殺されちゃったら……
「阿弓!!」
透馬兄様が私の肩を強く掴んで揺さぶる。
珍しい。
オネエ気質のある透馬兄様がこんな事するなんて。
驚きでハッと我に帰れた。
「蝶羽ちゃんが心配なのは、ボクっちも分かるよ。でも、そうやってクヨクヨ考えたり後悔してても、今の蝶羽ちゃんは危ない状態のままなんだ。どうせ悩むならまずは、助ける手段を考えるのが良いんじゃない?」