怪盗ダイアモンド2
これは、私の鞄の中から撮ったやつ。
「あれ、鳳莉ちゃん、手ぶらだったっけ?」
「いえ、学生手帳とか保険証とか盗られたら大変なので、蝶羽ちゃんに鞄ごと預かってもらったんです」
「運命(さだめ)に魅入られし時、魔の鍵が一つ解錠されたな」
椎馬兄者が呟いた。
すかさず私は、兄者の脇腹に肘鉄砲を食らわす。
この厨二病!!
鳳莉と亜希乃が理解出来なくて目が点になってんじゃねーか!!
仕方が無いので私が通訳する。
「『なんで蝶羽の方が攫われたのか分かった』だってさ。椎馬兄者は中二病だから注意して」
「え?!」
「本当ですか?!」
でも本当かな?
兄の言う事は信用したいけど、こいつは探偵業より猫と中二病な情報が脳内のほとんどを占めてるやつ。
「椎馬兄者、説明する時は日本語喋ってよ。理解出来るの私と海馬兄貴だけなんだから。通訳めんどいし」
「……承知、じゃない、分かった」
大丈夫かな?
椎馬兄者は探偵らしく一度咳払いをすると、射るような眼差しで私達を見渡した。
「結論から言うと、犯人は鳳莉ちゃんと蝶羽ちゃんを間違えたんだと思う」
「「はあ?!」」