怪盗ダイアモンド2


被害者と犯人。

本来なら仲良く座るなんて有り得ない。

けど、よく見るとこの人、そんなに悪い人でもなさそう。

背は高いけど、顔立ちは優しそうだし。

若いけどスーツもきっちり着てて、眼鏡もかけてて真面目そう。

「お嬢ちゃん、名前は?」

「……白鳥 蝶羽(しらとり あげは)です。蝶の羽って書いて、『あげは』」

「そうかい、良い名前だね」

男性は微笑んだ。

そうかな?

結構読みにくいキラキラネームだと思うんだけど。

たまに『しらとり ちょう』とか『しらとり ちょうは』とか間違えられて、変わった名前って言われてたから、良い名前なんて言われたのは初めて。

「私は御剣。御剣 僚吾(みつるぎ りょうご)」

あ、名乗っちゃうんだ。

私が警察に連絡するかもしれないし、周りに助けを求めるかもしれないのに。

はっ……!もしかして、私を口封じの為に殺して、何も無かった事にするの?!

「あ、いや、君は怪我させたり、殺したりしないよ!ちょっと桝屋 鳳莉の代わりをしてもらうだけだ。攫った時に度胸を使い果たしてしまってね……もうこれ以上罪は重ねないさ」

< 40 / 122 >

この作品をシェア

pagetop