怪盗ダイアモンド2
ちょっと鳳莉との共通点が見えてきた気がする。
「でも、最近人気が伸びなくてね……SNSとかでも、アンチが酷いし……」
確かに、今は鳳莉が人気だから、それ以外のアイドルは霞んで見えがち。
「もしかして、鳳莉をテレビに出られないようにして、『どり†あす』の人気を上げようと?」
半分冗談のつもりだった。
「……最初はそのつもりだったんだけどね」
「え?」
長いため息と共に、車はゆっくりと高速道路を降りた。
「本当に、何をやっても『どり†あす』は人気が伸びなくて……桝屋 鳳莉を監禁すれば、ユキとリオンの活躍の場も広がると思って」
御剣さんがチラリと視線を後部座席に向ける。
「手錠とか用意してたよ……あ、もう人違いしたってわかったし、もうそんな気力も無いから、本当にお嬢ちゃんには何もしないからね、安心して」
「で、でも!駄目ですよそんなの!」
いくら人気が伸びないからって、そんな蹴落とすような酷い事、していい訳が無い。
今はその気が失せたみたいだけど、本当にやって、それがバレたとしたら、もっと人気がなくなるかもしれない。
いや、芸能界を追放されるかも。