怪盗ダイアモンド2


「この女子アナ、ブスだな〜、鳳莉ちゃんの方が一兆万倍可愛い」

「馬〜鹿、鳳莉ちゃんと比べりゃ世の女子の殆どがブスだろ」

「え〜、あはは、ありがとうございます……でもこの人も可愛いとは思いますよ?化粧が濃いめですけど」

「馬鹿兄共!!蝶羽を見ろ蝶羽を!!鳳莉も相手しなくていいから!!」

ったく、有力情報だっつってんのに!!

榊家の野郎共はなんでこうなんだ……



一人だけ冷静な椎馬兄者が、細い顎を摘み舐めるように画面を見やる。

「なぜゆえ、甘美な凍てつきし結晶を補充している?睡り(ねむり)という名の毒に支配されているのか……?暗黒の声は聴こえないが……」

「椎馬兄者っ!!セルフで訳せっ!!」

「……なんで呑気にアイスなんて食べてるんだ?睡眠薬でも盛られてるなら合点がいくが……しかし誘拐されてるように見えないな」

確かにそうだ。

なんか平和すぎて、誘拐犯と被害者に見えない光景。

「とにかく俺は、テレビ局勤務の友達に頼んで、それが何時に放送されたやつか聞いてくるから。撮影されたのは今日みたいだが、何時間前のか分かんねぇからな」

「そんじゃー俺は、蝶羽ちゃんちに行って、ご両親に連絡〜。捜査に熱中してて、遅くなっちゃったしな。いってきまーす」

海馬兄貴と颯馬兄さんがバタバタと出かけていった。

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