怪盗ダイアモンド2


「電話とかですましゃー良いのに」

「信憑性の問題でしょー。あの人達肝心な時にポンコツになるしぃ……で、ボクっち達はどーする?」

どーするって……

本当なら、今すぐにでも家を飛び出して、蝶羽を探しに行きたい。

けど、そんな野性的な方法ですぐに見つかる訳が無い。

それは亜希乃も同じ気持ち。

さっきから貧乏揺すりが止まってない。

「はー、僕達は暇になるねー……何か喋る?」

言い回しが初デートのカップルみたいだぞ、天馬兄ちゃん。



「ねぇ阿弓ちゃん。前から気になってたんだけど……」

鳳莉が聞いてきた。

「なんでお兄さん達の呼び方が一人一人違うの?」

「あー、それあたしも実は気になってた!なんで?」

亜希乃も身を乗り出す。

え、そんな事気にする?

「それぞれのイメージに合わせて呼んでるだけだよ。皆名前の最後が『馬(ま)』で終わるから、聞き違いもたまに起こるし」

『そうま』『ちょうま』『とうま』辺りは特に発音が似てるからね。

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