怪盗ダイアモンド2
透馬兄様が台所へ走っていった。
「僕も手伝い行ってくる。今日はお客さんいるし、豪華にしなくちゃね」
「あ、あたし手伝います!……卵割るくらいしか出来ませんけど」
「私も手伝います!」
「本当?そりゃありがたいや。今うちには料理出来る人が減っちゃったからね〜」
天馬兄ちゃんを追うように、亜希乃と鳳莉も台所へ向かった。
「これ以上の捜索は難しいし……俺自室で筋トレしてくる」
「よくそんな余裕あるな……まぁ、私もニカ動見たいから同じようなものか」
「僕も、秘されし書を幻夢の闇へと散らせぬよう、刻印を圧さねば(探偵業の方の資料、忘れない内に片付けなきゃ)」
海馬兄貴と鳥馬兄上と椎馬兄者も席を外す。
部屋に残ったのは颯馬兄さんと私。
暇になってしまった。
「……風に当たるか。俺は一回外出たけど」
「……おう、まぁ私も一回庭出たんだけど」
いつまでも次元を問わない女の子のグッズに囲まれるのも嫌だから、二人で移動して縁側に腰掛ける。
そういや、こうやって兄さんと二人になるのは久しぶりな気がするな。
大体近くには他の誰かがいたし。