怪盗ダイアモンド2


特に話題もなく、シーンとした空気が流れていく。


♪〜♪♪♪〜♪〜


しらけた空気を割くように、タイミング良くスマホが鳴った。

慌ててポケットに入れたスマホを開く。

でも、映ってるのは私の好きなキャラの待受画面。

「あれ?これ、私の着信音じゃない……」

着信音は颯馬兄さんの方から聞こえる。

「俺のでもないぞ?……あ、蝶羽ちゃんのか」

いつの間にか、蝶羽のスマホを預かってたらしい。

確かに上着のポケットから光が漏れてた。

「誰から?蝶羽ママからかな?」

「いや、違うな……えーと、『ネオンくん』って登録されてる」

「あー音遠くんか……」

彼に直接言ったわけじゃないけど、さっきの電話で知っちゃったのか……

まずかったかな。

「お前連絡しちゃったのか……どーする?勝手に出るのもアレだし、ほっとく?」

「いや、ちょっと貸して」

蝶羽のスマホを受け取り、通話ボタンを迷わず押す。

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