怪盗ダイアモンド2


『あ、蝶羽ちゃん?!』

音遠くんの切羽詰まった声が聞こえた。

「ウン、ワタシ、アゲハー。ネオンクン、ヒサシブリダネ-!ゲンキニシテタ?」

『……阿弓ちゃんでしょ』

「あはは、バレちったか」

「バレるだろ」

颯馬兄さんが呆れる。

何も知らない音遠くんに、とりあえず現状を伝えた。

「って感じだから。悪いけど蝶羽は攫われた時にスマホ置いてったから、連絡取れないよ」

『そっか』

「……やけに冷静じゃない?」

『マスターが調べたんだ。もう居場所は分かってるからね』

「え?!ちょ、マジ?!リーダーに代わって!!」

「音遠くん、何だって?」

「蝶羽の居場所、調べがついてるって……」

「っはー?!何でだよ、警察より有能なガキとか!!意味分かんねぇ、俺が馬鹿みたいじゃん!!」

警察じゃなくても、元からあんたは馬鹿だろ。

言おうと思ったけど、めんどくさいから黙っておいた。

『もしもし、アユさん〜?』

会話の主が代わり、少女の声になる。

今日はいつもと違って、甘えんぼモードだ。

< 62 / 122 >

この作品をシェア

pagetop