怪盗ダイアモンド2
『あ、蝶羽ちゃん?!』
音遠くんの切羽詰まった声が聞こえた。
「ウン、ワタシ、アゲハー。ネオンクン、ヒサシブリダネ-!ゲンキニシテタ?」
『……阿弓ちゃんでしょ』
「あはは、バレちったか」
「バレるだろ」
颯馬兄さんが呆れる。
何も知らない音遠くんに、とりあえず現状を伝えた。
「って感じだから。悪いけど蝶羽は攫われた時にスマホ置いてったから、連絡取れないよ」
『そっか』
「……やけに冷静じゃない?」
『マスターが調べたんだ。もう居場所は分かってるからね』
「え?!ちょ、マジ?!リーダーに代わって!!」
「音遠くん、何だって?」
「蝶羽の居場所、調べがついてるって……」
「っはー?!何でだよ、警察より有能なガキとか!!意味分かんねぇ、俺が馬鹿みたいじゃん!!」
警察じゃなくても、元からあんたは馬鹿だろ。
言おうと思ったけど、めんどくさいから黙っておいた。
『もしもし、アユさん〜?』
会話の主が代わり、少女の声になる。
今日はいつもと違って、甘えんぼモードだ。