怪盗ダイアモンド2
showっていうのは、今流行りのカメラアプリ。
カメラを翳すと自動で顔認識して、猫耳が生えた写真とかが撮れるアプリだ。
リオンちゃんなら良く似合うと思うけど……
「……『show』って何?」
当の本人は首を傾げる。
「え?」
「リオン、スマホはゲームとSNSしか使わないから、よく分かんない〜。自撮りやったのも、やった方がフォロワー数増えるって御剣さんが言うからだし」
「……あー、分かった。後で私が教えてあげるから、スマホ用意しといて」
初めてだよ、ネットで自分を着飾らないアイドルなんて。
「あと、ユキくん」
「何?」
「……LIVEの時とキャラ違うよね?」
「あぁ、御剣さんが言ってたから、LIVEではちょっとぶりっ子してる」
にひっと笑うユキくんは、見せてもらったLIVE映像の時は女の子みたいな外見を活かしたあざといポーズが多かった。
しかも一人称が『ボク』。
でも今目の前にいるのは、年相応の若干口の悪い少年だ。
「そのままの方が良いと思うよ、あと、バク転出来るんだよね?パフォーマンスとして取り入れたら?」
「え〜……マジ?でも御剣さんが言ってたし……」