怪盗ダイアモンド2
「あ」
「ユキくん?どうかした?美味しくなかった?」
「いや、超美味いよ。思ったより苦くねーし……じゃなくて!アンタの名前、まだ聞いてねーなって」
「あぁ。私、蝶羽。蝶羽って字は、蝶の羽って書くの」
「ふーん、シャレた名前だな」
「そう?」
「……あのさ、オレ思ったんだけど、オレらのスマホから知り合いとかに連絡すれば、アゲハ帰れるんじゃね?って思ったんだけど」
あー……
……確かに、最初からリオンちゃんとユキくんに言えば、スマホを借りて阿弓達に連絡が出来たんだけどね。
なんなら、御剣さんから借りても良かった。
「まだ良いよ。もうちょっと『どり†あす』の事聞きたいし」
せっかく都会まで来たんだから、もうちょっとここにいたいな。
私を探してる皆には悪いけど。
「マジ?そりゃ、コッチからしてもありがたいけどよ」
嬉しそうな笑顔を見せてくれるユキくん。
私としても、ここまで来た甲斐があったな。
ズズっとダークモカチップフラペチーノを啜る。