怪盗ダイアモンド2
大ファンのアイドルに声をかけられたのと、いきなり無茶な要求をされたのとでびっくりしてる鳥馬さんに、私も頭を下げる。
「わ、私からもお願いします!私、暴力ふるわれてないし、全然怪我もしてないから!もしかしたら『どり†あす』、芸能界引退するかもしれないんですよ!」
せっかくこれからもっと頑張る決心が付いたのに、ここでそれを諦めるわけにはいかない。
鳥馬さん、お願い!
「そ、そりゃ、そこまでお願いされたらやってあげたいところだけど……弁護士見習いの僕には、そんな権限は……」
「いーじゃん、鳥馬、警察官の俺が許可するから、許してやろーぜ?」
「そ、颯馬さん!」
いつの間にか車の後部座席から降りてきたらしい颯馬さんが、鳥馬さんの首に片腕を回した。
「確かに、誘拐未遂……っていうか、誘拐だけど、そこは引っかかるかもだけど俺がどうにかして誤魔化すから大丈夫!」
安心して、と言うように親指を突き出す颯馬さん。
おぉ……さすが榊家長男!
頼りになる!
でも颯馬さん、そんな簡単に出来ちゃうなんて……どこの部署所属なんだろう?
「その代わり……えーと、『どり†あす』のシラユキとサンドリオン?だっけ?一応話は聞かせてもらうからね」
「「あ、はい……」」
次から次へと知らない人が現れて、呆然と立ち尽くすしかなくなった二人。