怪盗ダイアモンド2

「色々ごめんな。アゲハ」

「リオン達頑張るから……応援してくれる?」

名残惜しそうに手を振る二人。

「もちろん!TV画面越しになっちゃうけど、応援するよ!」

これで私達は、もうアイドルと一般人の関係だ。

たぶん、こうして面と向かって会う事はもう無い。

こんな珍妙な誘拐事件があったから二人と会えたんだから。

そう思うと……やっぱ寂しいな。

「オレ達、ぜってーファンのハート、かっさらってくからな!」

「アゲハちゃんのハートも、盗んじゃうんだから!覚悟しててよ?♡」

盗む……

『どり†あす』の二人がトップを目指すように、私も絶対叶えたい目標がある。

兄さんの呪いを解く宝石を見つける事。

その為に、怪盗になって、盗みを働いている。

今思えば、御剣さんの起こした誘拐事件も、私が始めた怪盗業も、目的の為に犯罪をやらかしたって点では同じかな。

文句は言えないか。

「?蝶羽?帰ろー?」

亜希乃が不思議そうに振り返った。

「うん、帰ろ」

私は鳥馬さんが運転する車に乗り込んだ。
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