怪盗ダイアモンド2

席に着くと同時に、担任が入ってくる。

「皆、十前から聞いてると思うが、今日は転校生を紹介する」

また教室がざわつく。

「ほら、だから言ったではありませぬか!」

「マジだったのかよ、鳴夏……」

「えー、ヤバーい!」

「静かに!……じゃ、転校生、来てくれ」

先生は廊下で待機していた転校生を呼んだ。


ガラッ


「失礼します」

ドアが開かれ、転校生が入ってくる……あれ?

チョコレート色のサラサラの髪、光の反射で緑に見える瞳を持つ、人形のように整った顔……

転校生は驚く私にまだ気づかないまま、自己紹介の為に黒板に名前を書いていく。

……え、嘘。

自分の名前を書き終えると、転校生はくるりと前を向いた。



「日ノ宮 音遠(ひのみや ねおん)です。よろしくお願いします」



……え、え、ひ、ひのみやって……


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