怪盗ダイアモンド2
「怪談っていうか、若い頃大学で民俗学とか日本文学史勉強してたから、昔話たくさん知ってるだけなんだけどね」
ふふっと笑いながら、玩子さんは阿弓の隣に座った。
「あ、そういうのだったらそんなに怖くないよね!聞かせてください!」
亜希乃は怖がりなのか強がりなのか、ずいっと前に乗り出した。
「ええ、良いわよ。暇だったからちょうど良いわ。そうねぇ……何のお話が良いかしら」
ちょっと考え込むポーズをしてから、玩子さんは話し出した。
「猫の話はどう?日本の昔話なんだけど」
「猫?猫なら亜希乃殿も怖くならないのではないでしょーか!」
鳴夏が四白眼の目を輝かせて賛成した。
私も阿弓も、亜希乃も反対しない。
この話で決定だ。
「それじゃ、話すわね。電気消してくれる?」
「あ、はい」
パチン
私が電気の紐を引くと、また部屋が暗くなった。
それと同時に玩子さんがゆらゆらと抑揚をつけた声で話し出す。
「これは昔昔……世が戦国時代と呼ばれていた時の事。