怪盗ダイアモンド2
「この前猫カフェで店員と客として会ったんだけど、話してる内に繋がりが見つかってね」
そういえば椎馬さんは探偵の仕事が無い日は猫カフェで働いてるんだっけ。
なるほど……世間って狭いなぁ。
「で、音遠くんに頼みっていうのは、これ」
椎馬さんが渡した紙を音遠くんが受け取る。
カラー印刷されたチラシだ。
「……『砂漠の猫(デザートキャット)展覧会』?」
「君にこれ行ってほしいんだ。僕の代役で調査してほしいんだけど」
「え、なんでそれをわざわざ音遠くんに頼むんだよ。頼んでくれりゃ私行くのに」
実妹なのに頼ってもらえないのが不満なようで、阿弓がちょっと拗ねる。
「いや、それがこの展覧会ちょっと変わってて……『美男子限定』なんだよ。しかも主催者に面接みたいに写真を送って合格を貰えた完全な美男子だけっていうめんどくさいルールもある」
なにそれ。そんなのあるの?
でも……
「椎馬さん、結構イケメンの類に入ると思いますけど……?」
探偵をやってるのがもったいないくらいの俳優並みの美形なのに。
だいたい眼帯でその整った顔は半分隠れちゃうけど。
照れ笑いでニヤけた口元を手で隠す椎馬さん。