怪盗ダイアモンド2
「ね、音遠くんよ!!本っ当にヤバい時は最悪私が代役で行くからね!?無茶すんなよ!?ちゃんと嫌なら嫌って言っていーんだかんな!!?」
音遠くんの肩を掴んで揺する阿弓。
他人に任せるのが不安なのと、他人にこんな事頼むのが申し訳ないのとで目がグルグルしてる。
音遠くんはニッコリ微笑んで阿弓の手を離した。
「大丈夫大丈夫、冗談だよ。それに、榊家の皆さんには蝶羽ちゃんがお世話になってるし」
いつから私の保護者になったのよ、音遠くん……
☆
「ねぇ、受けちゃって大丈夫だったの?」
「うーん……正直不安だよ。僕は探偵でもなければ警察でもない、ただの男子高校生なんだから」
榊家からの帰り道、私と音遠くんは横並びで歩いた。
もう雨はあがって、水たまりが夕日を反射してて眩しい。
水たまりの表面をつま先で蹴って立ち止まると、音遠くんは椎馬さんから貰ったチラシを見つめた。