なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
9☆ほっとする場所
「王子様に告白されたぁぁ!?!? 」
「しっ!もうっ!声が大きいってば!!」
本来なら授業中のこの時間。
人がまばらの教室内に茉莉のミーハーな声が響く。
うちの学校はこの時期、センター試験を控えた3年生はほとんどが自由登校になる。
試験を受けるクラスメイトは自宅学習をしたり、図書室で最後の悪足掻きをしているみたいで、教室内は私達みたいに、すでに受験から解放された者だけが自習になった時間をうだうだと過ごしていた。
うちの学校は進学校なだけあって、ほとんどの生徒が進学を希望する。
そんな中茉莉はイレギュラーな生徒で、かねてから志望していた美容師の専門学校に去年すでに合格通知をもらっていた。
案の定、自習時間になったら颯爽と私の席までやってきた茉莉に、今朝から無意識に深く刻まれていたらしい私の眉間のしわの理由を問い詰められ……今に至るわけだ。
いくら、私の恋愛経験値がキャパオーバー起こしたからって、やっぱり茉莉になんて相談するんじゃなかった!
いくら教室内に人が少ないからってさ!!
声が大きすぎっ!!
「ごめんごめん。つい興奮しちゃって」