なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「じゃあ、長瀬は?」
「………え?」
「“浅木くんとは”って。じゃあ、長瀬とだったら、付き合えるんだ?」
ニヤリと口角を上げる茉莉を前に、一瞬私の時間が止まる。
長瀬と……付き合う?
その言葉の意味を理解した途端に、顔に血液が集まり出すのが分かった。
「なっ…何言ってんの!?浅木くんも!!長瀬も!!だよ!!当たり前でしょ!?」
「ふーん」
そこはさ?“ふーん”じゃなく“そうだよね!”って納得してほしいところなんだよ。
長瀬と付き合うなんて想像しただけで、心臓がバカみたいに騒がしい。
無理無理!
長瀬と付き合うなんて無理!
一秒で耐えきれなくなって逃げ出すよ私。
3日もすれば死んじゃうかも。
それくらい危険なヤツだよアイツは!
なぜだか知らないけど、茉莉はいつか私と長瀬がくっつくんじゃないかって思ってる節がある。
何で?どうしてそう思うの?
って問い詰めたい気持ちはやまやまだけど、どうせ納得のいく理由が返ってくるとは思えないからやめておく。
「そもそもさ。長瀬が私を好きだって言ったことさえ今は疑わしいんだよ?付き合うも何もないでしょ」