なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
10☆想定外の恋の扱い方
小さい頃、お母さんとお父さんが。
『咲希は将来、どんな人を好きになるのかなぁ〜?』
なんて話をしてたことがある。
キョトンと話を聞いていた私は。
『咲希は、お父さんみたいな真面目な人を好きになるに決まってるよな〜?お父さんが大好きだもんな〜?』
なんて、デレデレしながらそう言うお父さんに“どうかなぁ?”と考えていた気がする。
すると、お母さんは。
『咲希みたいなシッカリしたタイプは、案外ヤンキーみたいな子を連れてきたりするのよ』
『そ、そそそそんなの絶対許さん!』
『あなた、外見だけで判断しちゃダメでしょ!大事なのは、“咲希をどれだけ大切に思ってくれているか”よ』
その後、お父さんは勝手に私が嫁に行く未来を想像しておいおい泣いてたけど、私は子供ながらに“そんな人好きにならないもん”って思ってた。
よくコンビニ前にたむろしているお兄さん達は怖かったし、3件隣の西山さんのおばさんが、よくお母さんに息子さんの愚痴を言ってるのを知ってるし。
ヤンキーなんてろくなもんじゃない。
それが私のイメージで……。
まさか自分が、そのヤンキーを好きになる日が来るなんて思ってもみなかった–––––。