なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「は?」
「昔は何かの部室だったみてーだけど」
長瀬は、部屋の鍵をクルクル回しながら躊躇なくソファーへと座った。
何であんたが学校の中の一室を私物化してる?
鍵まで持ってさ?
これ、ダメなことなんじゃないの?
先生にバレたらとんでもないことになるんじゃ……。
いやしかし!
足を踏み入れた時点で私も同罪。
お母さんお父さんごめんなさい。
咲希は不良娘になってしまいました…。
「また、ぐちゃぐちゃ余計なこと考えてんべ?ど真面目。早く座れば?」
「ぐっ…。うるさいわね!座ればいいんでしょ!座れば!!」
ドスッと音を立てて長瀬の隣に座る。
長瀬と二人きりの空間。
正直食欲なんてわかないけど、お弁当箱を包むバンダナを開けて食べる準備を始める。
さっさと食べてさっさと戻ろう!!
お弁当の蓋を開けたその時だ。
ヒョイっと玉子焼きを掴んだ長瀬が、それを口に放り込んだ。
「ちょっと!あんた自分のあるでしょ!?」
「購買のパンあきた。これ、センパイ作ったの?」
「そ、そうだけど」
「うまい」