なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
焼きそばパンをまだ半分も食べ終わっていない私の膝を枕に、長瀬がソファーにゴロンと横になって。
その思いもよらないヤツの行動に、思わず焼きそばパンを落としそうになった。
「ねぇ!本当に!こういうこと最近多い!つ、付き合ってるわけじゃないんだから、ちょっとは控えてよ!」
「付き合ったらいいの?じゃ、付き合ってよ」
「だから!それは無理だって……」
思わず心臓が跳ねた。
長瀬の手が、私の頬に優しく触れたからだ。
「センパイ。もうすぐ卒業すんじゃん」
「……?そ、そうだけど」
長瀬の憂いの滲んだ瞳が、私を見つめている。
一体何が言いたいんだ……。
「センパイが卒業したら、もう学校にセンパイいないんでしょ?」
「そりゃ……」
「俺、学校に楽しみ何もなくなるよ」
それは……、私がいないから学校に来たくないってこと?
「何言ってるの!ダメだよ!あんた悪いことやめたんでしょ!?ちゃんと学校卒業しなきゃだめ!」
「分かってるよ。うるせーな」
「なっ…!」
こんのクソガキ……!!
長瀬は、拗ねたように膝の上でそっぽを向く。
「……だからこうやって、センパイとの時間すり込んでんじゃん」
「すり込む……?」