なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
約束の日当日。
長瀬との約束の時間まであと3時間もある。
今日に限って、朝5時とかいうバカみたいな時間帯にバッチリ目を覚ましてしまった私は、布団の中に潜ったまま、長瀬との約束に間に合わない時間まで二度寝しようと試みていた。
だけど……。
「寝られない……」
いつもは寝ようと思えばいつまでも寝ていられるほどの低血圧。
なのになぜ今日に限って……。
「ぐぬぬぬぬ…」
毛布にくるまりながら、頭の中は行くべきか行かないべきかの押し問答が繰り広げられていた。
行かないって決めてるのに、どうやら心の中にもう一人の自分が住んでいるようだ。
だからこそ、もう準備が間に合わない!って時間帯までこうして粘るしかない。
そうすれば、必然的に諦めもつくだろう。
なんて思っていたら……。
––––––ピンポーン!
家のインターホンが鳴った。
こんな朝早くに誰?
宅急便…にしても早すぎるな。
布団から顔を出し、耳をすませる。
と、1階からお母さんと誰かが話すような声が聞こえてきて、それはすぐに階段を駆け上がってくる足音に変わる。
な、なに!?
そう身構えたと同時に部屋のドアが乱暴に開け放たれた。