なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「毛糸のパンツ履いたとこで、そんな足出してたら意味ないんじゃないか?寒そう。ほんと女子の気がしれない」
そんな山下さんに苦虫を噛み潰したような顔を向けているのは、金城くんだ。
金城くんも早く来てくれたようだけど、寒さにめっぽう弱いらしく、さっきからぶるぶると震えて全く作業になっていない。
「女子たるもの!霜焼けしようが凍傷になろうがミニスカ生足は譲れません!!」
「頑張るとこ間違ってんだろーよ」
そしてもう一人……。
「センパイ。あっためて?」
「うびゃあっ!!!」
私を後ろから抱きしめ、冷たくなった頬で頬ずりしてくるこの男。
「長瀬!!あんっったは!!真面目に雪かきしなさいっ!!」
「あー気にしないで。俺は雪かき要員じゃなくて、センパイあっためる要員だから」
「んな仕事、美化委員にはないわっ!!」
意地でも離れようとしない長瀬を引き剥がそうと奮闘していると、山下さんがもの凄くしらけた顔でこちらを見ていることに気がついた。
「……私、知らなかったんですよ」
「…え?えーと…」
「私の尊敬すべき花枝先輩が、まさか…まさか……長瀬なんぞと付き合うことになったなんて……。えぇ。金城先輩からそれを聞かされた時はもう、この世の終わりなのかなって…えぇ。そう思いましたとも……」