なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

静かに、ただただひっそりと、目立った事は一切せず。


そうしていれば誰かから顰蹙を買うこともなく、「あぁ。平和な3年間だったなぁ」って卒業できるって…そう思ってた。


怖かったんだ。


人とは違う目立ったことをして、沢山の目に晒された時、自分はどう思われるんだろうって。


深く傷ついたあの日みたいに、信じていた人が影で中傷をしているかもしれない。


勘違いだと笑ってるかもしれない。


そう思うと怖くて仕方がなかった。



自分に自信がなかった。


それなのに、そんな自分を見て見ぬ振りしてた。


見て見ぬ振りをして、平和を守ってた。



だけど、


長瀬と出逢って、ニセモノの平和で固めた世界が一つ一つ剥ぎ取られていって、


その中で怯え、うずくまっていた私を、長瀬は引っ張り出してくれた。



ありのままの私を、長瀬は好きだと言ってくれた。


“センパイは強えーよ”って信じてくれた。


一人で頑張らなくていいって、いつだって私の側にいてくれた。


見ていてくれた。



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