なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
長瀬は、私の“自信”そのものなのかもしれない。
長瀬と出逢ったあの日。
たった一度の失態から生まれた平和とは真逆の毎日。
さんざん長瀬に振り回されて、さんざんヤキモキして。
何で何でって頭を抱えた毎日。
だけど、平和を守ってた時なんかよりずっと、世界が色付いて見えた。
めいっぱい息ができた。
自分を少し、好きになれた。
全部全部、長瀬に出逢ったから。
3年間の中のたった数ヶ月。
この数ヶ月で得たものがあるから、私は今強い決心を胸に、ここにいられるんだ。
校長先生が退場をしたと同時に、私はすぅと深く息を吸い込む。
“よし!”と心の中で気合を入れて、膝の上で緊張で震える手のひらを、ぎゅっと握りしめた。
*
来賓の祝辞が終わり、在校生送辞。
これが終わればいよいよ、金城くんの卒業生答辞だ。
その時。
––––––ヴヴヴ…
胸ポケットに入っているスマホが静かに震えた。
何だろう?こんな時に…。
先生達にバレないように、胸ポケットを覗く。
すると、画面に表示された“金城くん”という文字に「えっ」と声が漏れそうになった。
長瀬と出逢ったあの日。
たった一度の失態から生まれた平和とは真逆の毎日。
さんざん長瀬に振り回されて、さんざんヤキモキして。
何で何でって頭を抱えた毎日。
だけど、平和を守ってた時なんかよりずっと、世界が色付いて見えた。
めいっぱい息ができた。
自分を少し、好きになれた。
全部全部、長瀬に出逢ったから。
3年間の中のたった数ヶ月。
この数ヶ月で得たものがあるから、私は今強い決心を胸に、ここにいられるんだ。
校長先生が退場をしたと同時に、私はすぅと深く息を吸い込む。
“よし!”と心の中で気合を入れて、膝の上で緊張で震える手のひらを、ぎゅっと握りしめた。
*
来賓の祝辞が終わり、在校生送辞。
これが終わればいよいよ、金城くんの卒業生答辞だ。
その時。
––––––ヴヴヴ…
胸ポケットに入っているスマホが静かに震えた。
何だろう?こんな時に…。
先生達にバレないように、胸ポケットを覗く。
すると、画面に表示された“金城くん”という文字に「えっ」と声が漏れそうになった。