なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

神様。


勇気をください。


ただ、ひたすらに守ってきた自分の世界をひっくり返してでも、伝えたい想いがあるんです。


深呼吸をするように、深く息を吸い込む。


そして、力強く言葉を放った。






「長瀬渉の、バカヤローーーーッッ!!!!」







マイクが耳をつんざくようにキーンと音を立てて、先生も生徒も一斉に耳を覆った。


吐き出しきった息を整えて、私は再びマイクへと言葉を放つ。


「散々、人の気持ち引っ掻き回しておいて!あれだけ一方的に気持ち押し付けといて!“好きなのやめる”とか、勝手なことばっか言うなっ!!」


「ちょっ…こらっ!!やめなさいっ!!」



さすがに様子がおかしいと思ったのか、先生達が慌てて壇上に上がって来ようとする。


だけど、両脇にある壇上へと続く階段の前には、それぞれ山下さんと茉莉が通すまいと立ちはだかった。


「すみません!我が愛すべき委員長の一大事なんで、ここを通すことはできませぬ」


と山下さん。


「3年間いい子ちゃんやってたんです。最後くらい見逃してやってください」


と茉莉。

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