なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「これ、下駄箱に入れたのセンパイでしょ?」
長瀬が差し出したのは、一輪の黄色いスイセンの花。
「ちゃんと届いたよ。センパイの気持ち」
今の私の想い。
長瀬への想い。
長瀬に向けた、花言葉……。
黄色いスイセンの花言葉。
“もう一度愛して欲しい”
“私のもとへ帰って”
「……好き……。私、長瀬が好きっ……」
溢れる涙もそのままに、長瀬を見つめてそう言えば、長瀬も優しく微笑みながら見つめ返してくれる。
「俺も好きだよ。距離とか、んなもんどーでもよくなるくらい、センパイのこと」
「長瀬…っ……」
長瀬の大きな体が、私を包み込む。
私も長瀬の背中に腕を回す。
大好きな長瀬の腕の中。
大好きな長瀬の匂い。
凄く凄く、ホッとする。
長瀬の腕の中は、自信の無さから生まれる醜い感情も意地も、全てを受け入れて包み込んでくれる。
穏やかな気持ちにしてくれる。
…そっか。
私、最初から四の五の考えずに、この胸に飛び込めばよかったんだ。