なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
思いもよらない返事が返って来て、私は「は?」と眉をひそめる。


「センパイの気持ち、言葉にしなくてもちゃんと伝わってたし」


「じゃあ、何で拗ねたりするのよ」


「だって、センパイ俺と離れるの寂しくなさそーなんだもん」


「悔しいじゃん。俺ばっかセンパイと離れたくねーみたいで」そう言って長瀬は、口を尖らせる。


「さ、寂しくないわけじゃないから!ただ、この先長瀬とずっと一緒にいるのであれば、その何十年の中のたった4年だからって気持ちであって……」


そう言ってからしまったと思う。


長瀬が、にんまりといやらしい笑みを浮かべていたからだ。


「な、何よっ!」


「センパイは俺との未来、すげー信じてるよね」


「そ、それは…っ」


いや。何も言い返せない。


だって、長瀬の言う通りだ。


私にとって、長瀬がいない未来なんて考えられない。


長瀬といる未来しか見えてない。


なんて自惚れてるんだろうって、自分でも思う。


いつか長瀬に愛想尽かされる日がくるかもしれないのに。


だけど、


もしもそうなったら、また今日みたいに伝えればいい。


長瀬がまた、好きになってくれるまで。

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