なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
ゆっくりと名残り惜しそうに離れた長瀬の唇が、静かに弧を描く。



「センパイ。卒業おめでと」


「…ん。ありがとう」



どんなにすれ違っても、どんなに離れても、


私達はきっとこの先もずっとずっと一緒にいる。


重なった唇。


繋がれた手のひら。


そこから伝わってくる長瀬の熱が、そう確信させてくれる。



同じように私の熱も、この想いと一緒に長瀬へと届いたらいいな……。


これから先も、ずっとずっと長瀬のことが好きだって。



大好きだって––––。




体育館の方から微かに聞こえてくる、生徒たちの合唱。



まだ咲き始めたばかりの桜の木。



風に揺れるチューリップ達が、私の卒業と私達の未来を祝福してくれてる。



そんな気がした––––。







あ。


そうだそうだ。


卒業式の日にはこれを言うって決めてたんだった。


ちょっと思い描いていたのとは違うけど……うん。まぁ、仕方ない。


終わりよければ全てよしってことで。




ごほんごほんっ!


では、僭越ながら言わせていただきます!






あ〜もうっ!


めちゃくちゃ最高の3年間だった!!!




< 335 / 345 >

この作品をシェア

pagetop