なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
エピローグ




桜の花びらが、甘い香りと共に風に舞う



––––––春。







「咲希ちゃん咲希ちゃん!!見て見て!!入学前の新入生がオリエンやってる!!」



キャンパス内の中庭に集まってる新入生の群れを指し興奮しているのは、大学に入学して初めて出来た友達のみきだ。


「イケメンいるかなー!?」


みきは大のイケメン好きで、常にイケメンを探し求めてる。


初めて会った日から何だか親しみを感じたのは、雰囲気がちょっとだけ山下さんに似ているからだと思う。


「こんな近くにイケメンがいるのに、こいつの目は節穴かよっ」


そう言って、呆れたようにため息をつくのは、これまたみきと同じ日に友達になったあきら。


あきらはちょっと…いや、かなりのチャラ男だけど、根はいいヤツ。多分。


一年前の今日、私もあの新入生達と同じようにオリエンテーションをしたな…なんて。


大学に入学式してから、早くも一年が経とうとしていた。



「確か、咲希の彼氏も今年から大学生だよね??」


みきが新入生に手を振りながら、そう聞いてくる。


「んー。じゃない?」


あきらもみきと一緒に新入生達に手を振ると、一部の女子が色めき立った。
< 336 / 345 >

この作品をシェア

pagetop