なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「どーせ花枝の彼氏とか、超ド真面目なインテリメガネだろ?やめとけやめとけ!そんなつまらねーヤツ!」
ガシッと矢野が肩に手を回してくる。
「もうどうせなら、俺にしちゃえば?」
そう言って、矢野が少し頬を赤らめた
–––––その時。
–––––––––ドンッ!
「おわぁっ!?!?」
突然矢野が何かに押されたように、前のめりに膝をついて、驚いた私は、慌てて矢野に駆け寄ろうとした。
だけど、駆け寄るどころか、体は反対に引き戻されてしまう。
「人のもんに気安く触んじゃねーよ」
え?
頭上から降ってきた聞き慣れたその声の主を、恐る恐る振り返れば……。
「……長…瀬……?」
え?
え!?
「長瀬っ!?!?!?」
ななな、何で長瀬がこんなとこに!?!?
「久しぶり」
相変わらず綺麗な金色の髪の毛は、年始に会った時より少し伸びて、何だか少し大人っぽくなったように見える。
背もまたちょっと伸びた?
私服だから?
雰囲気も、心なしか前よりも落ち着いた気がする。