なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「驚いたに決まってるでしょ!?それにっ…」
「それに?」
首を傾げる長瀬から、視線を逸らす。
「……っ嬉しかったし」
赤くなった顔を隠すように袖で口元を覆えば、視線の端で、長瀬が驚いたように目を見開いたのが分かった。
長瀬はずるい。
いつだって、こうやって私を素直にさせてしまうんだから。
「…ヤバ。刺さった」
「は!?…ぐぇっ!」
長瀬が、力いっぱい私を抱きしめる。
離れていた距離を埋めるかのように、力強く。
「苦しい!長瀬っ!」
弱まった力に安心したのも束の間、今度は長瀬の唇が落ちてきて……。
「んんっ…」
私の中が、一気に長瀬一色に満たされてしまった。
「…どうだった?離れてみて」
少しだけ離された唇から、零れるような声でそう問いかけてくる長瀬。
また、すぐにでも重なりそうな唇にドキドキする。
その熱っぽい眼差しに、浮かされる。
「……寂しいって…思うこともあったよ…そりゃ……」
「…俺はセンパイ不足で、おかしくなりそうだったよ」
「……っ」
再び重なった唇は、さっきよりも深く、甘く私を酔わせていく。
「…散々お預け食らったし、もう『待て』はきかないから」
「覚悟しといてね」そう言った長瀬の不適な笑みを見たら、
この先一生、この男に翻弄され続ける未来しか想像できなくて……。