なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
終わった……。
完全に終わった……。
卒業式の日に、“あぁ、平和な3年間だったなぁ!”とか思いながら、満足気な表情で卒業証書を受け取る私の姿がちりとなって消えていく……。
それどころか、きっと明日からあのバカみたいな噂に新たなる噂が加わるんだ。
“美化委員をやってるヤクザの娘が、学校いちのヤンキー長瀬を殴って手懐け、ヒールのかかとで踏んづけてる”
改め。
“美化委員をやってるヤクザの娘が、学校いちのヤンキー長瀬を殴って手懐け、ヒールのかかとで踏んづけてる。しかし!そんな彼女は顧問の村田に禁断の恋をしていた!”
………。
なんかもう……どうでもよくなってきた……。
サラサラと灰になっていきそうな私に、長瀬は驚くべき言葉を口にする。
「安心しなよ。俺、別に誰にも言う気ねーし」
ん?
え!?
「ほっ、本当!?!?」
な、なーんだっ!!
ただの生意気なエロガキヤンキーかと思ってたけど、案外まともじゃない!
そうよね!
さすがにこんなヘビーな秘密、誰かに言ったりしないわよね!
「センパイが、美化委員に入れてくれたらね」
………………は?
長瀬がニヤリと片方の口角を上げた、その刹那。