なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
なわばヤケクソでそう叫ぶと、私の手を掴む長瀬の力がふっと緩んで……。
–––––––ガバッ!!
「ひぇあ!?!?!?」
初めて感じる、肉親以外の者の体温。
自分とは違う柔軟剤の香り。
気が付けば私は、長瀬の腕の中にすっぽりと体が包み込まれていた。
「スゲー嬉しい。センパイさんきゅ」
「ちょっ……分かった!分かったから離れなさい!大袈裟!!」
ぎゃーーー!!!!余計に力入れてきやがった!!!!
「だって、センパイといられんのスゲー嬉しい」
耳元で囁くなーーーっ!!!!
「手取り足取り、色んなこと教えてね?センパイ」
「……っ」
もう……限界だ……。
わなわなと震え出す私の拳。
それは私の意思とは関係なく、振り上げられ……。
「離れろって……
言ってんだろーーーーーーーー!!!!!!」
–––––ゴォンッ!!!!
長瀬の脳天にゲンコツを放った。