なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

そんな気持ちはやまやまなのだが、私は相も変わらず平和をこよなく愛す人間!!


ここ最近、ただでさえこの男のせいで平和が脅かされてるってのに、こんな沢山の人が集まっている中で、そんなとんでもなく目立つ行動が出来るわけもなく……。


ほら。


今だって、他の生徒達の眼差しが、今話題の2人の関係が真実かどうか知りたいって好奇の目をしてる。


下手な行動を起こそうものなら、無駄に噂の信憑性を上げるだけだ。


まぁ、こんな中途半端な時期に長瀬が美化委員に入って来たって時点で、噂を裏付けてしまっている気もするが……もうこれ以上は考えないでおこう。


「山下さん。長瀬はほうっておきましょう。
話を続けます」


そうそう!


こんなヤツほうっておくのが一番。


いちいち苛立っていたら、相手の思う壺なんだから。


どうせ美化委員に入ったのだってヤツの気まぐれだ。


仕事なんてする気はないんだろうし、今まで通りいないものだと思えばいい。


「とにかく、それぞれの役割分担を再確認しておいてください。尚、クリスマスシーズンに向けて12月1日から毎日、美化委員でも校内の雰囲気作りに取り組んでいく予定です。去年に引き続き、校内装飾なども行う予定なので、放課後残れるという方がいたら、積極的に参加をお願いします」


私がそう言い終わると、教室内が少しざわめき出す。
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