なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

先生は話し終えると、「あはは!つい熱く語っちゃいましたね!」と頭をかきながら照れ臭そうに教壇から下りていった。


委員のみんなも、さっきよりずっと穏やかな表情をしている。


やっぱり先生は凄いな……。


先生そのものが花みたいな存在だ。


人の心を穏やかにする。




もしもいつか。


本当にいつか、誰かと付き合うことになるのなら、絶対に先生みたいな人がいい。


一緒にいたら、いつだって穏やかな気持ちでいられて、心落ち着く存在。


そう。


付き合うなら……––––––。



「クソねみぃ」



断固として、こんなヤツは嫌だ。


「で?なにやりゃいいの?美化委員」


「……」


先生の話が終わった後、来月の仕事の割り振りをし、その後はみんな速やかに解散をした。


その間もこの男は爆睡。


みんなが教室から出て行った後、ようやく目を覚ましたかと思えば、机に頬杖をついてこの偉そうな態度。


こいつ…本当にこれっぽっちも聞いてなかったのね。


だったらもっと態度ってものがあるだろうっ!
< 48 / 345 >

この作品をシェア

pagetop