なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

「これ。あんたの割り振りだから。それ通りにやってくれるだけでいい」


私は、それぞれの割り振りが書かれたプリントを長瀬に渡す。


「なにこれ?1階の男子便所の花の水換え?こんだけでいーの?センパイいつももっと仕事してね?」


「いいの。あれは私の仕事だから。他のみんなはこんなものなの」


「へぇ。ちょー楽じゃん」


「でしょ」


長瀬は、机に頬杖をつきながら、プリントをピラピラと弄んでいる。


まぁ、楽でしょうね。


事実、仕事が楽だと思ってこの委員にする人が多いし。


でも、本当は違う。


本当はもっともっと沢山やることがあるんだ。


だけど……––––。


「センパイ、案外どMな」


「………は?」


「まぁ、嫌いじゃねーけど」


なぜ今、そんな卑猥な話になっている。


「バカじゃないの?なにを言って…っ」



ドクンっと心臓が跳ねる。


うっわ……。


なんて綺麗な目……。


長瀬の茶色い瞳が、真っ直ぐと私を見つめていた。


「バカはセンパイだから。

面倒な仕事、全部自分が引き受けてんだろ?」


「!…っ違っ」


「自分苦しめんの、好きなの?マゾだね」


バカにするように口角を上げる長瀬。
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